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音楽業界はオワコン?
2010年から著作権法の改正により違法なコンテンツのダウンロードができなくなりました。
Youtubeがネット上で台頭してから、音楽業界だけでなくテレビ業界も違法なコンテンツの動画のアップロード対策にかなり神経質になってきています。
まあ早い話、苦労して作った作品をタダで見るな!聞くな!ってことでしょうね。
でも冷静に考えてみると、これはちょっと考えれば予想がついたはずなんです。
コンテンツがデジタルになるってことは、限りなく原価がゼロに近づくこと。
マザーを作ってしまえばあとはコピーするだけのことだから、コストが限りなくゼロになっていく仕組みなんです。
つまりデジタル化が進めば進むほど、コストがゼロに近づくのだから、売値もゼロに近づくのは当然なんですよね。
だから音楽の無料化っていうのは、デジタル化が進むにつれ避けて通れない道だったはずなんです。
とくにこれだけインターネットが普及すると、違法なダウンロードも当たり前になってしまっています。
そこで音楽業界は著作権を守るため、法律の改正に躍起になります。
法律で縛れば違法なダウンロードはなくなる、違法なダウンロードがなくなればCDの売り上げが回復するはずといった単純な発想で解決しようとしました。
しかし、あれから数年たった今でもCDの売り上げは回復したといえず、むしろ握手券付などの特典CDがランキング上位を占め、オリコンチャートもアイドルグループが上位を独占するといった異常事態になってきています。
本当に違法ダウンロードがCDが売れない原因なの?
ではここでもう一度考えて見ますが、CDが売れなくなった原因は本当に違法ダウンロードのせいだったのでしょうか?
たしかにYoutubeなどで簡単に聞きたい音楽が再生できるので、CDを買わなくなったという人もいるでしょう。
でも私にはそれが本当の原因だとには、到底思えません。
本当に音楽業界を衰退させた真の原因は、オリコンのランキングに問題があるのではないでしょうか?
2015年上半期ののオリコンのシングルランキングの発表は以下のとおりです。
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・2015年 オリコン上半期シングルランキングトップ20
***1位 : 177.2万枚 … AKB48 「僕たちは戦わない」
***2位 : 104.1万枚 … Frame AKB48 「Green Flash」
***3位 : *68.7万枚 … SKE48 「コケティッシュ渋滞中」
***4位 : *61.5万枚 … 乃木坂46 「命は美しい」
***5位 : *55.2万枚 … 嵐 「青空の下、キミのとなり」
***6位 はじめに : *52.6万枚 … NMB48 「Don’t look アーティストにお勧めのホームページ作成法 back!」
***7位 : *52.1万枚 Nfl … 嵐 「Sakura」
***8位 : *47.5万枚 … Kis-My-Ft2 「Thank youじゃん!」
***9位 : *45.5万枚 … 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE 「starting Uniform over」
**10位 : *44.8万枚 … SKE48 「12月のカンガルー」
**11位 : *38.3万枚 … Kis-My-Ft2 「Kiss魂」
**12位 : *29.9万枚 … HKT48 「12秒」
**13位 : *23.7万枚 … 三代目 J Soul Brothers 効果的なライブのやり方 その1 from EXILE TRIBE Choosing 「O.R.I.O.N.」
**14位 : *20.6万枚 … KAT-TUN 「Dead or Alive」
**15位 : *19.7万枚 … BUMP OF CHICKEN 「Hello,world!/コロニー」
**16位 : *18.4万枚 今の時代メージャーレーベルは必要か? … SMAP 「華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ」
**17位 : *17.1万枚 … B’z 「有頂天」
**18位 : *16.6万枚 … KAT-TUN 「KISS KISS KISS」
**19位 : *16.3万枚 … Support Hey!Say!JUMP 「Chau#/我 I Need You」
**20位 : *15.8万枚 … 東方神起 「サクラミチ」
まあ見事というか、アイドルグループがトップ20位までを独占しています。
かろうじてバンプとB’zが入っているという感じでしょうか。
人間の心理、特に日本人の心理として、流行っているものは自分も知りたい、カラオケなどでは流行っている歌をみんなの前で歌いたいという傾向があります。
ですがお世辞にもこのランキングを見て、本当にランキングのとおりに流行っているの?と疑いたくなります。
つまりランキングが信用できない、まったく参考にならないんですよね。
本当に人気があるの?
メディアが大げさに騒いで報道してるだけじゃないの?
って普通なら思ってしまうんですよ。
それが証拠に某アイドルの昨年と一昨年の1位の方々は、2015年の春のテレビドラマ主演で、視聴率ワーストのワンツー順位をたたき出して、もはや数字を持っていないアイドルとしてスポンサーがいよいよ首をかしげている状態です。
そしてテレビの世界で見てみると、この春から始まったフジテレビの水曜歌謡祭が大爆死していますが、リスナーが本当に見たい音楽番組とはかけ離れているような気がします。
それよりも昔のザ・ベストテンのような感じで、ガチンコのランキング方式の放送や、事務所の圧力を無視した本物の新しい新人アーティストの紹介番組などを見たいと思うのは、私だけでしょうか?
話は戻りますが、音楽業界を衰退させた一番の原因は、オリコンをはじめたとした音楽ランキングのカウント方式が原因だと私は思います。
そういう意味では、インターネットでSNSを利用したみんなが本当にスマホなどで聞いている音楽の、本当の順位をカウントできるアプリが登場すれば、少しは音楽業界も復活すると私は考えています。
握手券などが付与され、本当に聴いている人の数があいまいなCDランキングよりも、実際に電車の中でスマホを利用している人たちが、通勤通学のときに何を聴いているのかなどの本当の利用者ランキングを教えてくれるサイトの登場が、今の音楽業界で最も必要なことだと思います。